『 マリアの骨 』 よくある設定ですが……

拝啓、鳴海章先生へ

刑事をイメージする画像。

最近ではどのテレビ番組を見ても刑事番組が多くあり、人気のある刑事物の書籍ならもれなくドラマへ、って感じですよね?

今回、ご紹介する作品も設定こそはよくあるものの、ふつうの刑事ではなく『 機捜隊 』という刑事事件だけでなく、覚せい剤や少年犯罪などの生活科の案件などに真っ先に現場にかけつける、あまりスポットライトが当たらない部署の警官が主役です。



浅草が舞台の刑事小説

主人公である小沼優哉は交番で8年間勤務し、ついに機動捜査隊日本堤分駐所の刑事となる。

使命感に燃えて刑事になったわけでもなく、子どものころに見たテレビドラマの影響で拳銃や散弾銃を撃ちまくる刑事に憧れていた彼は警官になる。


刑事としての道を歩みはじめたばかりの小沼とコンビを組むことになったのが、ベテラン刑事の辰見悟郎巡査部長。


絞殺された娼婦・大川真知子の骨をその娘と拾う辰見。

殺された女性と、8ヶ月前に起きた助成殺害事件との関係性を疑い、聞き込みをはじめるのだが、新たな女性絞殺死体が……!



下町が舞台とは思えないタイトル

舞台は浅草。

騒がしい東京のなかでもいわゆる下町がこの『 マリアの骨 』の舞台です。


東京が舞台でありながら、どこか下町情緒が感じられるのがこの作品のカラーとなっていると言えるでしょう。


東京の新宿を舞台にした『 新宿鮫シリーズ 』や池袋を舞台にした『 IWGP 』などが有名ですが浅草などが舞台の刑事ものは私の記憶の中にはあまり無かったですね……。

浅草のイメージ画像。

また、この作者の作品は他の警察ものにはない表記の仕方をしていたりして、かなり独特。


警察内の専門用語がかなり飛び交っているので、刑事もの初心者のかたはちょっぴり読みづらいかも……?

ただハードボイルド感溢れる小説が好きだったり、警察ものにリアリティを求める人ならばかなりのめりこんでしまい、熱を上げてしまうかも知れない小説ですね。



硬派な作品

刑事ものの小説はとにかく硬派なものが多い印象を私個人はもっているのですが、その中でも正統派な硬派な作品だと思いました。

とくに刑事ものではめずらしい下町を舞台にしているため、東京という新しいものが多い街と、古い昔のモノとかが混在する“ カオス ”な雰囲気が私としてはツボです。


また、ルーキーとベテランコンビというよくある設定でありながら、この二人を上手く演技させているのが、面白いためぜひ次の作品も読みたいと思わせる小説でした。

映画化やドラマ化されても面白いと思う作品なので、今後も注目したい小説と作者ですよ。



作者の情報

鳴海 章(なるみ しょう)

北海道出身の小説家。
その小説は中国でも翻訳され販売されている。

多くのシリーズものの著者としても有名で『 国連航空軍 』シリーズ、『 スナイパー 』シリーズ、『 原子力空母信濃 』シリーズ、『 ゼロ 』シリーズなどがある。

このページの先頭へ